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当ホームページで毎月案内させていただく、当院長・金田水英(ひで)の健康アドバイスです。
季節や流行などの背景と鍼灸・整骨に感する内容を中心に掲載させていただきます。
ちょっとした日々雑感として、お立ち寄りください。
2012年 12月 京都府鍼灸師会が主催した講演会案内
今回は、一つの医療の罹り方と題して、先日、京都府鍼灸師会が主催した講演会についてお話しさせていただきたいと思います。
講演の先生は今年、年間ベストセラーの六位になった本、「大往生したけりゃ、医療とかかわるな」の著者、老人ホーム「同和園」の中村仁一先生でした。
その話は、まず第一に医療は本人の身体の反応を利用するもので、病気やケガを治すのは本人の「自然治癒力」が一番だ」と言う事、例えとして、アフリカの貧困の地域では、栄養不足で抗生物質も効かない人が多い、また、死ぬ前は血圧が下がってしまうので上げる注射をするが体力がなくなるといくら血圧を上げる注射を打っても上がらず死んでしまうなど、やはり私たちの治療でもそうであるが体力のある若い人や運動をしている人は治りが速いのは、「自然治癒力」が強いからであると思います。
「年寄などは具合が悪いのが正常で老いを病いにすり替えない事」ともおっしゃってました。年寄にはきつい言葉に感じると思いますが、今の世の中、健康と言うことに少し振り回されているところがあって、健康食品、健康器具など少し気持ちがせかされてる感もあると思います。
「医療が穏やかな死の邪魔をする」ともおっしゃっていました。
「飢餓」……脳内モルヒネの分泌
「脱水」……意識レベルの低下
「酸欠」……脳内モルヒネの分泌
「炭酸ガスの貯留」……麻酔作用あり
死が近づくと食事、水がとれず、病院では点滴による栄養補給、呼吸の回数も少なくなり、でも病院では酸素吸入器をつけるなどをして延命治療をする。
それにより自然と痛くない苦しくない死を医療は妨げているのでは…との事でした。
他になるほどと思ったお話が、葬儀屋さんが最近のお棺が重たくなってるとの事です。昔は軽かったみたいです。病院で色々体に入れるからだそうです。昔の年寄りの死は、最後は飢餓で死んでいたからだろうとの事でした。
以上参考になればと思います。(私も餓死がいいかな、気持ちよく死ねそう(笑)。)
2012年 11月 生理痛について
今月は生理痛についてお話ししたいと思います。
生理痛は一般女性の7割ぐらいの人が何らかの不快感を持っておられるそうです。痛みのきつい人ですと仕事はもちろん立つこともできなくなり、失神、気絶、救急車で運ばれることもあるそうです。私は男性ですので考えられません。ですが私は、家族構成がいわゆる女性家族で女7人、男1人と言う家庭で育っており、少し自分でも体も心もオネエ系ではないかと思うことが良くあります。昔の人は生理に関して隠してこられたことが多く私も女の家庭で育ったのですが、家では全くその様なことを感じなかったものです。ですが私の家内がこの生理痛のひどい系で子供を産むときにも、生理痛が強かったので別に思っていたより痛くなかったそうです。なので結婚してから毎月、家内に
「どうですか具合は?」と聞くことが常です。
生理痛には大きく分けて器質的原因と機能的原因があります。器質的とは、子宮筋腫、子宮内膜症など病的なもの、機能的とは成長過程であるとか、ストレス、冷えなどです。あまり痛みの強い人は病院で診察を受けた方が良いですね。
東洋医学では主に生理痛は、血虚(けっきょ)とお血(おけつ)で治療します。
血虚とは血が少ないとか血が全体に巡ってないとかです。
お血とは、きれいな血ではない、汚い血、固まって動きにくくなっているとかです。血の道症ともいいます。
ですから東洋医学では血をどうにかする治療が主にします。そこで有名なツボ、どの本、どの雑誌を見ても生理痛には三陰交です。なぜ三陰交なのでしょうか、それは名前に答えがあるのです。三つの陰経が交わる所なのです。
陰経の三つとは、肝経、脾経(胃腸)、腎経のことです。肝経―血を動かす。脾経―血の栄養を作る。腎経―血の水分を調節する。このような働きがある経絡が交わる所が三陰交なのです。実際の治療は、ストレスを取ったり、肩こり、腰の血行をよくしたり、と数多くのツボを使いますが、患者さん自身で使うツボとしたらピカ一です。足首の内側のくるぶしの一番とんがったところから、指で四本そろえ、そのまま骨にあてアキレス腱側の骨の際の凹むところに三陰交と言うツボを取ります。できればそこに市販の千年灸でも生理の三日前ぐらいからやってもらえば良いと思います。
私はこの生理痛に対して、生理痛で苦しんでいる人がなぜみんなしないのか不思議に思うぐらい効果のあるツボです。今、灸ガールと言う言葉もあるぐらいに、女性の間で自分あるいは、友達同士でお灸をするのが流行ってきているみたいですが、早くこの治療法をして少しでも生理痛の痛さがマシになったらいいな~と心から思います。
ツボの場所、お灸の量などわからない場合、メールなどで質問ください。
絶対効きますよ。
2012年 10月 食欲の秋・5味について
熱さも少し遠のき、秋の香りがしてまいりました。
今月は食欲の秋と言うことで、食べ物に関して話をしましょう。
よく患者さんに「何を食べたら良いでしょうか?」と聞かれることが多いのですが、東洋医学では五行論と言う考え方がありまして、すべてを五つに分類してわかりやすくしています。
ですから漢方薬も単純に言うと五つの味に分かれて、それの組み合わせが薬になっているのです。その味を5味と言いまして、酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(塩からい)になります。昔から体が硬い人は酢をとか、疲れた人は甘いものをとか言いますが、まさにそれです。簡単にどんなものを食べたら良いか紹介しましょう。
■筋肉が良くツル、目が疲れる人・・・鶏肉、梅干し、すもも、ニラ
■心臓がドキドキする、食べ過ぎる人・・・羊肉、青汁、ピーマン、らっきょ
■関節が痛い、手足が特にだるい人・・・牛肉、カボチャ、はちみつ、なつめ
■よく風邪をひく、腸が弱い人・・・馬肉、しょうが、わさび、ニンニク、ねぎ
■冷えやすい、骨粗鬆症の人・・・豚肉、大豆、くり
心当たりがある人は、食事の時、少し多めにとってはどうでしょうか。
2012年 9月「夏バテ」について
今回の健康アドバイスは「夏バテ」についてお話します。
夏バテの原因は主に3つ、
1.自律神経の失調、
2.水分不足、
3.胃腸の機能低下 です。
自律神経の失調はやはり睡眠不足で起こることが多いですので充分な睡眠、そして水分不足は、自然と熱いので汗がでていきます。ですから水分をこまめに取る必要があります。でも冷たいジュースやビールは良くないです。そして最後は胃腸の機能低下、汗でビタミン、ミネラルが出ていき、食事は冷たいものを飲みすぎて胃が疲れてビタミンミネラルが取れない。これらの結果、体がだるい、しんどい、眠たいとなるわけです。
対策として私が実行していることは、睡眠を良くするために、軽い運動と寝る前の入浴です。
水分補給は、冷たい水じゃなしに、常温のスポーツ飲料水の薄めたもの、そして食べ物はビタミン、ミネラルが多い食べ物(豚肉、枝豆、納豆、豆腐、玄米、うなぎ、いわし)など、それとビタミン、ミネラルが吸収しやすくするクエン酸(グレープフルーツ、梅干し、リンゴ酢)などを心がけております。
皆さんもどうかお試しいただき、残暑厳しい9月を元気に乗り切りましょう!
2012年 8月「熱中症対策」スイカと利尿作用
八月に入ってますます熱さが増してきました。皆さんも熱中症には気を付けておられると思います。その対策として水を多く取る事を実行されている方も多いと思います。
その為に、「少し体がむくむ」、または「汗が異常にでる」、という状態の方も多いのではないでしょうか。
いつもと違う環境になり(熱すぎる、水を飲みすぎる)ことによって体の水分調節がうまくいっていないのです。特に小便(おしっこ)が出にくくなっている人が多いと思います。
おしっこの役目は、①体内の水分代謝 ②弱アルカリ性にする ③電解質の調節(ナトリウム、カリウム、マグネシウム)そして ④体の老廃物(クレアニン、尿素窒素)があります。特におしっこが出にくくなると老廃物が体から排出されず、体がしんどくなったり、だるくなるのです。
では夏場におしっこを多く出す食べ物は…?と言うと「スイカ」です。スイカは糖分もあって、熱すぎて疲れた体に良しそして老廃物が溜まった体からおしっこを出してくれます。なぜ夏にスイカかなのか?はこういうことなのですね。一日二切れほど食べるとよいかもわかりません。その他に利尿作用の飲食として麦茶や豆類なども良いですよ。
2012年 7月「夏の心臓病対策」について
夏は心臓に負担がかかる季節です。これは皆さんも知っていると思います。なぜでしょうか。心臓は、車でいうとエンジンです。常に熱を持って頑張っています。夏になると温度が上がり、体の熱も上がります。それともう一つの原因が心臓は体の上にあります。東洋医学では上焦といいますが。夏になると入道雲が現れます。あれは地の熱が上へ昇っている状態です。人間でも同じように熱が上焦(心臓)の方に上がりやすくなるのです。もともと熱が多い心臓ともくもく昇ってきた熱気ぶつかってプラスされドキドキ、バクバク、フーフー、となるのですヒートオーバーしちゃうんです。この心熱を取るには東洋医学では苦い食べ物を食べると熱を抑えてくれるといいます。心臓疾患の漢方薬にも苦い薬が入っているのはその為です。
ニガウリ、ゴーヤ、ラッキョ、などが良いといわれています。
私は「にが」でも有名な青汁なんかもOKだとおもいます。
2012年 6月「脾経(ひけい)のツボ」について
この時期は、春先より夏に移行する時期でもあります。東洋医学的には、肝に負担のかかる時期から心臓に負担のかかる時期への移行の時期でもあります。この移行の時期を東洋医学では、脾の負担のかかる時期(大きく見て胃、小腸、大腸)ともいいます。
季節の引っ越しの時期、慣れるまで体力を知らず知らず使う時期なのです。治療でも必ず脾経のツボを使います。
ですから極力、食事に気を付けるようにすると健康でいられますよ。