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当ホームページで案内させていただく、当院長・金田水英(ひで)の健康アドバイスです。
季節や流行などの背景と鍼灸・整骨に感する内容を中心に掲載させていただきます。
ちょっとした日々雑感として、お立ち寄りください。
リンナー健康法 早めの夕食で、毎日をもっと元気に 2025年 8月
🌿 リンナー健康法とは?
「リンナー(Linner)」とは、昼食(Lunch)と夕食(Dinner)の間にとる軽めの食事のことです。午後3時〜5時頃の「早めの夕食」として注目されています。
特に現代人は、夜遅くまで活動することが多く消化器や自律神経に負担をかけがち。
夕食の時間を少し早めるだけで体はびっくりするほど軽くなります。
🌿 こんな方におすすめ
• 夜遅く食べることが多く、胃もたれや睡眠の質が気になる方
• 健康的な生活リズムを取り戻したい方
• 血糖値や体重を整えたい方
• 「1日3食」では多すぎると感じる方
💡 リンナー健康法・5つの標語
1. 早めに食べて、夜を休め
2. 光とともに、食も暮らしも整える
3. 1日2食+α、がちょうどいい
4. 寝る前は“空腹”がごちそう
5. 早寝早起き、リンナー生活
これらは、私たちの身体のリズムや東洋医学の考えにも合致しています。
「胃腸を休める=心身の回復力が上がる」という自然の流れを大切にしましょう。
私が鍼を浅く刺したり、深く刺したりする理由 2025年 7月
鍼(はり)は、その時の体の状態に合わせて浅く刺す場合と、深く刺す場合があります。「浅い鍼」は、主に皮ふや皮下の浅い部分を刺激して、自律神経を整えたり、気(エネルギー)の流れを良くして、体をリラックスさせる効果があります。特にストレスが溜まっている時や、眠りが浅い時、内臓の働きが乱れている時に効果的です。
「深い鍼」は、筋膜や筋肉、コリの奥までしっかり刺激する方法です。これによって血流が良くなり、痛みやこり、神経の圧迫を和らげます。慢性的な肩こり、腰痛、神経痛、筋肉の緊張が強い時によく使います。
東洋医学では、浅い鍼は体の表面(衛気)を整えて風邪や不調を防ぎ、深い鍼は体の内側(営気・血)の巡りを良くして、根本からの回復を助けると考えます。
ですので患者さんの要望には、なるべく応える様にはしていますが、この様な理由により難しい場合もあります。よろしくお願い申し上げます。
爪が割れて出血したときの応急処置(実体験より) 2025年 6月
ある物のフタを外そうとした際、親指の爪が割れて出血してしまいました。
そのときに私が実際に行った処置を参考までにご紹介します。
※あくまで個人的な体験に基づく内容です。症状が強い場合は、無理せず病院へ。
1.まずは止血と固定
・割れた直後はすぐにバンドエイドで止血。
・その上からテーピングを軽く巻き、圧迫しすぎないよう注意しました。
2. 3日間はそっとしておく
・清潔を保ちながら、3日間はできるだけ触らず安静に。
・もしズキズキするような痛みが続く場合は、化膿の可能性もあるので病院へ。
3.3日後、補強処置をスタート
用意したもの
4. 割れ目の補修
・爪の割れた部分に爪楊枝を差し込んで少し広げ、その隙間にアロンアルファを流し込みます。
・爪をしっかり合わせて数秒押さえて固定。
5. 仕上げ・補強
・接着面が乾いたらヤスリなどで表面を整えベースコート(マニキュア)を塗ります。
・補強したい場合は、小さく切ったティッシュを貼りさらに上からマニキュアを重ね塗りします。
これを数回繰り返すと、強度も見た目も安定してきます。
ご注意
・あくまで応急処置としての体験談です。
・痛みが強い場合、赤み・腫れ・熱感が出てきた場合は、必ず医療機関を受診してください。
・感染防止のため、使用する道具は清潔に保ちましょう。
「割れた爪が痛い」「でも病院に行くほどではないかも…」
そんなときに少しでも参考になれば幸いです😊
鍼は身体に刺すだけでも効果があります。2025年 5月
鍼は身体に刺すだけでも効果があります。
医学的な研究により、鍼治療には以下のような作用があることが証明されています。
1. 鎮痛作用(痛みの緩和)
最も科学的に証明されている鍼の効果のひとつです。
●鍼を刺すことで内因性オピオイド(エンドルフィンなど)が放出され、痛みを抑えることが確認されています。
●特定のツボでなくても、皮膚や筋膜、筋肉への刺激そのもので効果が出ることがあります。
※これは「sham acupuncture(偽鍼)と比較した実験」でも、ツボを外してもある程度の鎮痛効果が出たことで証明されています。
2. 血流改善
●鍼の刺激により、局所の血管が拡張して血流が促進され、皮膚温や筋肉内の血流量が上昇することが確認されています。
●特に、筋肉の硬くなった部分や「トリガーポイント」と呼ばれる痛みの原因となる部位に刺すと、より高い効果が期待できます。
3. 自律神経の調整
●鍼は交感神経の活動を抑制し、リラックス効果をもたらすことが脳波や心拍変動(HRV)などで確認されています。
●刺す場所がツボに限定されなくても、リラックスしたり眠くなるような反応が生じることがあります。
4. 筋肉の緊張緩和
●鍼を筋肉に直接刺すことで、筋スパズム(過剰な筋収縮)を解除し、筋肉の緊張をゆるめる効果があるとされています。この作用は、「筋筋膜性疼痛症候群(MPS)」など、筋肉由来の痛みを対象とした治療にも応用されています。
リラックスしたい、身体全体をゆるめたい、自律神経のバランスを整えたい、ぐっすり眠りたい…鍼灸にはこうした目的に対しても効果が期待できます。
心身の調子を整える手段のひとつとして、ぜひ鍼灸を上手に活用していただければと思います。
腰痛対策の新習慣 運動+ツボ押しで再発予防 2025年 5月
■運動について
「運動はした方がいいですか?」というご質問をよくいただきます。
答えは「はい、したほうが良い」です。
運動は血流を促進し、筋肉や関節の柔軟性を保ち代謝を整えることで健康全般に良い影響を与えます。特に鍼灸治療と組み合わせることで相乗効果が期待できます。
ただし、無理をして頑張りすぎると逆効果になりかねません。過度な運動は筋肉や関節を痛める原因となり継続も困難になります。途中でやめてしまっては本末転倒です。
運動で一番大切なのは、「続けること」です。
無理のない範囲で日常生活に自然に取り入れられる運動習慣を目指しましょう。理想は、“死ぬまで続ける”つもりでコツコツと続けること。
たとえば毎日の散歩やストレッチ、軽い筋トレなど自分に合った方法を見つけてください。
■腰痛のセルフケアとツボの紹介
慢性的な腰の張りや「ぎっくり腰になりそうだな」と感じる前兆には、委中(いちゅう)というツボが効果的です。
委中は、膝の裏の中央にあるツボで、足の膀胱経(ぼうこうけい)に属しています。腰から足まで広く関係しており、腰痛や坐骨神経痛、足の疲れにもよく用いられる代表的なツボです。
▼自宅での簡単なケア方法
お風呂で体を温めた状態で行うのがベストです。
湯船の中で立膝(たてひざ)の姿勢をとります。
膝の裏のくぼみにある委中を、親指で軽く押しながらやさしくマッサージします。
押す強さは「気持ちいい」と感じる程度で十分です。強く押しすぎると筋肉や神経を痛めてしまうので注意してください。
日々のセルフケアと、無理のない運動習慣を続けることで、腰痛の予防や再発防止に大きく役立ちます。腰痛で気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
「超回復」は鍼灸治療で同じ事ができているのでは? 2025年 3月
超回復と鍼灸治療には共通するメカニズムがあります。
超回復とは、筋肉や体が適度な負荷を受けた後、休息を取ることで元の状態よりも強くなる現象です。
鍼灸もこれと同じように、体に適度な刺激を与え自己修復力を高める働きがあります。
■超回復と鍼灸の共通点
1. 適度な刺激による回復促進
• 超回復 → 運動やトレーニングで筋肉を一時的に破壊し、その修復過程で強くなる。
• 鍼灸 → ツボや筋膜を刺激し、血流を促進。
微細な傷をつけることで修復機能を高める。
2. 血流の向上
• 超回復 → 筋肉の損傷後、血流が増えて栄養や酸素を供給。
• 鍼灸 → 鍼の刺激により血行が促進され、老廃物の排出がスムーズになる。
3. 神経の活性化
• 超回復 → 神経系の適応が進み、筋力や持久力が向上。
• 鍼灸 → 自律神経のバランスを整え、リラックスや回復を促進。
4. 成長ホルモン・回復物質の分泌
• 超回復 → 成長ホルモンが分泌され、組織修復や筋肥大が起こる。
• 鍼灸 → 鍼の刺激により、βエンドルフィン(痛みを和らげる物質)や成長因子が分泌される。
■鍼灸で超回復をサポートできるのでしょうか?
はい。可能です!
• 運動後の疲労回復:筋肉痛の軽減や血流改善で、回復が早くなります。
• パフォーマンス向上:神経の活性化で、次のトレーニングがスムーズに。
• ケガ予防:柔軟性の向上や筋肉のバランス調整で、故障を防ぎます。
【結 論】
超回復は「運動+休息」の仕組みですが、鍼灸はその回復プロセスを加速させる手段として活用できます。
特にアスリートや体をよく使う人には、トレーニングと鍼灸を組み合わせることで、より効率的な回復が期待できます。どうぞ、鍼灸の力をご活用ください。
ピエゾチャネルの作用を使った治療法 2025年 1月
皆さまは「ピエゾチャネル」という言葉をご存じでしょうか?
ピエゾチャネルとは、皮膚や体内で圧力や振動を感知する重要なタンパク質であり、関連する研究がノーベル賞を受賞したことでも注目されています。
特に「ピエゾチャネル2(Piezo2)」は、皮膚の感覚や触覚の反応に深く関わり外部からの刺激を電気信号に変換する役割を果たします。この画期的な発見は、鍼灸治療が身体に与える影響を科学的に説明する新たな鍵となる可能性があります。
鍼灸のツボ刺激は皮膚を介してピエゾチャネルに働きかけ、神経系や体内バランスに影響を与えることが考えられます。
当院では、伝統的な鍼灸技術を大切にしつつ、こうした科学的知見を取り入れ、治療効果のさらなる向上を目指しています。東洋医学と現代科学を融合させることで、痛みやストレスの軽減、自然治癒力の向上を支援する治療を提供いたします。
また、私は治療の一環として「3点テープ」をよく使用しています。
このように体に丸や四角のテープを貼る方法もピエゾチャネルの作用を使った治療法だと私は感じております。
HP ➡ https://pressio-neurobrain.org/home/2021_nobelprize_piezostory/
ご興味のある方は上記URLからご一読ください。
最新の科学が明らかにする身体の仕組みを活用し、今後も鍼灸の可能性をさらに広げてまいります。